投資の格言コツコツドカンは投資をしない一般生活にも当てはまる

2017年12月8日

投資の格言の一つに「コツコツドカン」という言葉があります。

投資が上手でない人の投資結果を揶揄する言葉で、小さな勝ちをコツコツ積み重ねては、ドカンと大きく負けてしまって、コツコツ勝ってきた分を失ってしまうような投資法を指します。

あまり格言とか名言というよりかは、未熟な投資家をあざける言葉ではあるのですが、確かにこれに当てはまる人は多く、私も未だにこのパターンに陥る事があるので、少し真面目に考えてみたいところです。

コツコツドカンは過去のトラウマが引き起こす

コツコツドカンに陥ってしまうのは、何度か負けを経験した事がある人に起きがちだと思います。それは大きく負けた経験や、大きな含み益を出したものの、欲を出してさらに値上がりを狙っているうちに価格は暴落。結果的に赤字になってしまったことで、「あぁあの時に決済しておけば…」と後悔し、次からは細かい利益を取りにいくようになります。

もしかしてコツコツドカンって利食い千人力の副作用?

こういった含み益が出ているのに決済しない状況を律して「利食い千人力」と言われる格言があります。ありもしない根拠で利食いを待つぐらいであれば、決済をして利益を確定させる方が何倍も賢い、という話です。「いやいや!まだここで終わらずにもっと伸びるはず!」と自分自身信じて疑わないのであれば、その時点でいったん決済して再度そこからエントリーすればいいんです。この投資に対する手数料が低価格になった最近では、ちょっとの手数料を気にしてエントリーできない、なんて投資法はそもそも危ういのです。いいじゃないですか、読み通りになって手数料分の利益がちょっと減ったって。

だから利食い千人力、さらに含み益という確定していない仮の利益の金額で一喜一憂する前に、利食いしてしまった方が賢いし、また次の投資に目が向けられるので、一石二鳥でもあるのです。しかし、利食い千人力を悪い方に捉えると、まだ目標の利益を達していないのに決済を急ぐようになり、投資の質が下がっていきます。

  1. 事前の想定通りの値動きをして、狙ったレートで決済できた
  2. 事前の想定と違った値動きをし始めたため、狙ったレートよりも利益が多少減る価格で決済した
  3. 事前の想定通りの値動きをしていたが、なんかの勘で狙いよりも利益が減るところで途中で撤退した。
  4. エントリーしてすぐ事前の動きとはまだ結びつかない動きの中で、一時のレートの動きでわずかな動きが発生したことで決済して多少の利益を得た

この中で1のすべての狙い通りの投資は完璧です。2と3に関しては決済する理由がロジカルなものと動物的勘みたいなもので違いがありますが、どちらも正しい利食い千人力です。

では4はというと、これがコツコツドカンの始まりだと私は思っています。負けが増えてきた人ほどコツコツドカンに当てはまりやすくなると思うのですが、投資のエントリーをする前に、今後の値動きを目一杯予想して、当たるかどうかは別として、自分の中で戦略を立てて投資をしているのに、本来の値動き以前のちょっとした相場の上下に深い意図を感じてしまったり、都合よくスキャルピングトレードだとばかりに、少額のレートでとりあえず決済しておく。

こういった考えで投資をしていると、勝率が上がっていきます。もちろん投資をするもの、勝率は無視できませんが、勝率はあなたの投資法を分析した際の、ただの一つのファクターです。利益額、取引頻度諸々含めてあなたの投資なので、勝率だけで勝とうと思ってはいけません。

プロ投資家集団と言ってもいい、ベンチャーキャピタル(出来たばかりやアイディアベースの起業家向けに資金を提供する集団)では、勝率なんて10%も要らない、という人すらいます。それはベンチャーキャピタルが扱う金額が多いので、1つの投資に1億ずつ出して99個が駄目でも、残りの一個が株式上場などを果たせば、元の1億円は何百倍にもなって還ってくるからです。これはもちろんベンチャーキャピタルは豊富な資金量があるので、仮に100億全額が失われても会社がなくなるほど困らないという判断と、当たった時に自分たちが最大限にリターンを得る方法をしっかりと考えているから、そんな勝率でも勝てるのです。

ようするに投資法に完全なものなど無い中で、投資法の判断の一つである勝率にこだわりすぎてもいけない、ということですね。

とはいえ、上記の通りで、負けが続いたり、大勝ちするところが大負けしてしまった人などは、コツコツモードに入りやすくなります。ではなんでドカンにまでなってしまうのでしょうか?

ああ嫌だ。貴重なお金が失われていく場面に耐えられない

一般的にはコツコツドカンで「ドカン」とやられてしまう理由は、地道に稼いできた人にチャンス(のように見えるもの)が降ってきたら、急にコツコツ頑張ってきたことを忘れて、「ここで一気に大きく勝つぞ!ここは外せない勝負だ!」と気持ちが乗っかり過ぎてまた負けてしまうことが多いからだと言われています。確かにそのとおりで、元々当たり前としてお金を増やしたくて投資をしている私たちは、大きく儲かる可能性が目の前にあるのに目をつぶることなんて本能的にできないのです。これは投資の難しさの本質のひとつと言えるでしょう。

ただ私が思うには、最近のコツコツドカンで負ける人は普段が真面目な人が多いように思えるのですね。不まじめな人は概ね一発勝負にかけてますから。

真面目にコツコツ稼いできたところに訪れる大チャンス。ここで勝負とエントリーするも、想像通りに相場が進みません。逆に最初だけは少し含み益が出る場合もあります。含み益が出るほうが重症で、コツコツ勝つことをいったん捨ててるのですから、それが大勝ちする水準までは祈るような気持ちで待ちます。そして想像通りに相場が進まないと感じてるパターンの人は、頭がちぎれるほど別の予測を始めます。実はこっちのパターンだったんじゃないのか?よくみると数年前と同じチャートのかたちになってるからこれからなんじゃないか?

含み益が出てても、含み損が出ていても、常に自分の損益が気になって仕方ありません。そして崩壊は一瞬。含み益が出てた人はマイナスに転落した時、含み損が出ていた人は少額の含み損が想像以上に膨らんでいたときです。ここでロスカットできれば、みんなコツコツドカンに当てはまらず、こんな言葉も生まれなかったでしょう。そのぐらいコツコツで頑張ってきた後のドカンの始まりは辛いし受け入れられないものです。「そ、そのうち回復するさ…」「こ、こんな赤宇すぐに含み益になるはず…」と思考が凝り固まっていて、今の自分の含み損を知ることが嫌になります。勝ってる時はしょっちゅう含み益の金額を気にするのに、含み損がある時は「見たらまた赤字が増えてるんじゃ…」と確認が嫌になります。それは人間なので辛いことです。ただその結果、赤字はどんどん膨らみ、耐えきれなくなって損切りしたりロスカットされてしまう、というのがドカンの発生の要因の一つだというのが私の考えです。コツコツドカンはコツコツの部分があるので、ドカンといく時も割り切りが難しいのです。そらにそう考えると、コツコツドカンの発生する理由は以下の理由も考えられます。

ハレとケの考え

古来より私たち日本人は、「ハレ」と「ケ」というものを重視してきました。大吉凶みたいなものもあれば、大安吉日なんかもそうですし、結婚式と葬式をそう当てはめてみたり。総じて「生きてると良い日と悪い日があるよね」みたいなニュアンスが脈々と残っているような気がしています。ハロウィンで渋谷でウェーイすることも、江戸時代の人が競って初鰹を求めたのも、同じような考えが根っこにあるような気がして。

話が飛躍しますが、コツコツしている状態がケの状態なので、どこかでハレな大勝ちがやってくる、という思いもあるのかもしれません。コツコツ勝つことがまるで善行のようで、得を貯めて一気に…と。いささか考え過ぎのようではありますが、投資に勝つためには人間性を捨てなきゃいけない部分もあるので、その人間性というものの中にハレ・ケの考えがあるのであれあ、興味深いと思います。マニアック過ぎる領域なのでこの話はなかったことに。。。

これ一般生活でもあるんじゃね?

と今回お伝えしたいのはこのコトで、ずっと投資の話をしてきましたが、これ投資じゃなくてもよくある行動だと思います。

小銭貯金してて貯金箱いっぱいになったから、貯金箱で貯めた金額プラスして旅行行っちゃえー

今月残業続きで食事も社食で安く済ませたし、1ヶ月ぶりのこの外食、めっちゃ贅沢しちゃー

いつも100円ショップでお皿揃えるけど、さすがにこの好きなブランドのこの一枚だけは絶対買わなきゃ

ということで、直接的な利益損失が見えづらいのですが、小さな自分にとっての善行が溜まってくると、自ら大きな失敗を起こしがちというのは、普段の生活からきてるのかもしれません。

特に日本人は昔から、普段は節約して夏の旅行は贅沢しよう!みたいなものは悪くないことだと思っている人の方が多いと思いますので。

じゃあお前はそういった生活を否定するのか?と言われるとそんなつもりはありません。

あくまでも生活におけるコツコツドカンにだけ注意すべきだと思っています。小さな成功を重ねて大きな失敗を呼ぶ。ダイエットで失敗するとかリバウンドしちゃうとかいうのも、この格言が当てはまるケースもあるかと思います。

自分がコツコツドカンにハマってないか?と思った場合は、投資と一緒でなぜコツコツし始めたのかを改めて意識していきましょう。投資はともかく、人生は波が大きく立つ生活は疲れますので。

そんなかたちで相場の格言は実生活でも当てはまるぞ、というお話でしたー。

※ホントは利食い千人力も実生活で大事で、妄想で好きな娘のことを1年思い続けるより、速攻で告白したらいいんや!って話をしようと思ったけど、それはそれでぜんぜん違う話だし、間違ってる気がしたので自粛であります。